今回は先日2018年5月20日に東京競馬場で行われた優駿牝馬・オークスで見事に桜花賞に続いて牝馬二冠を達成したアーモンドアイについて取り上げていきます。
アーモンドアイの血統・プロフィールやこれまでの戦績はもちろん、次走はどのレースを目指すのかや馬主についてまであれやこれや調査しましたので、どうぞご覧ください。
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アーモンドアイのプロフィールと強い戦績
アーモンドアイは2015年3月10日に現在の北海道勇払郡安平町にあるノーザンファームで産まれました。
関東・美浦の名門で2010年にはアパパネで牝馬三冠(桜花賞・オークス・秋華賞)を制している国枝栄厩舎に所属し、昨年2017年8月6日に新潟競馬場の芝1400m新馬戦でデビューを飾ります。
ただし、新馬戦では後に触れるような良血血統であったこともありデビュー戦から単勝1.3倍、C.ルメール騎手を鞍上に迎え鋭い末脚を繰り出したものの出遅れた影響もあって残念ながら2着に敗れました。
ルメール騎手の後日のコメントによると距離もアーモンドアイには短めで初出走ということや物見をしていたことも敗退の原因のようです。
次走・2戦目は2017年10月8日に東京競馬場の芝1600m未勝利戦に出走し、新馬戦では負けたものの力の違いを見せつけたことから、ここでも単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持されます。
ゲートの出はやはり遅かったものの道中は手応え十分に競馬をし、直線はほぼ馬なりながらも力の違いを見せつけて2着馬に0.6秒、3馬身半という差をつけての楽勝となりました。
未勝利戦勝利後の3戦目は当初500万下の特別戦を使う予定もあったものの、放牧に出された後2018年の初戦をG3・シンザン記念(芝1600m)に定めて調整が進められました。
シンザン記念は2018年1月8日に京都競馬場のメインレースで行われ、鞍上はルメール騎手が騎乗停止中だったこともあり戸崎圭太騎手とのコンビでの挑戦となりました。
シンザン記念は牝馬が活躍することが少なく、2000年以降で勝利したのは2012年のジェンティルドンナのみにも関わらず高評価を得て単勝2.9倍の1番人気となります。
スタートは今回も今ひとつでしたが後方からのレースとはなったもの4コーナーから外を回ると雨により芝のコンディションは稍重だったのにも関わらず牡馬相手に1頭だけ脚色が異なるレースぶりをして一躍牝馬クラシック候補に躍り出ることになりました。
シンザン記念で初重賞勝利を飾ったアーモンドアイは賞金加算されたことにより桜花賞に向けてステップレースを使う使わないなど選択肢が広がり、陣営が検討した結果、桜花賞に直行することになります。
そして2018年4月8日阪神競馬場で3歳牝馬三冠第一弾、G1・桜花賞(芝1600m)をルメール騎手とのコンビで迎えます。
デビュー以来無傷の4連勝ラッキーライラックが単勝1番人気、他にも2歳女王決定戦G1・阪神ジュベナイルフィリーズで好走したリリーノーブル、マウレアなどが上位人気になる中でアーモンドアイは単勝3.9倍の2番人気でレースはスタートしました。
桜花賞でもスタートはあまり良くなく、後方から追走したアーモンドアイでしたが、4コーナーで外を回ると先行して直線で先に抜け出していたラッキーライラックを差し切って見事に桜花賞馬に輝きました。
レース後の論評を見る限り、例年であればラッキーライラックは普通に勝てるレースだったし、勝てるレースをしたということからも、いかにアーモンドアイが別次元の競馬をしたかがわかります。
桜花賞勝利後、一部には日本ダービーに挑戦しないのか、凱旋門賞に登録しないのかなど様々な話題が出ましたが、陣営としてはアパパネ以来の牝馬三冠を目標にしていたこともありオークスを目標に調整が進められました。
そして記憶に新しい2018年5月20日に東京競馬場で行われたオークス(芝2400m)
で単勝1.7倍の堂々1番人気に支持されたアーモンドアイはこれまでのレースの中では良いスタートを切った後、鞍上のルメール騎手の判断で前の方に進出しスムーズにレースを進めます。
血統面から2400mを不安視する声もありましたが、不安を微塵も感じさせないレースぶりを見せ最後の直線で抜け出し圧勝と言えるレースぶりで二冠を達成しました。
アーモンドアイの血統は?父馬は?母馬は?
二冠馬となったアーモンドアイは父はロードカナロア、母はフサイチパンドラという血統です。
父・ロードカナロアの現役時代の競争成績は通算19戦13勝2着5回3着1回で4着以下に敗退したことはありません。
重賞はG1で6勝(2012年スプリンターズS、2012年香港スプリント、2013年高松宮記念、2013年安田記念、2013年スプリンターズS、2013年香港スプリント)、G3で3勝(2011年京阪杯、2012年シルクロードS、2013年阪急杯)と通算9勝しています。
2013年の香港スプリントを連覇した後引退し、翌2014年1月に京都競馬場で引退式を行った後、社台スタリオンステーションで種牡馬をスタートさせました。
昨年2017年が初年度産駒となり、アーモンドアイ以外にもステルヴィオが今年2018年のG2・スプリングSを制しています。
母・フサイチパンドラの現役時代の競走成績は通算21戦4勝2着4回3着4回となっていて重賞はG1で1勝(2006年エリザベス女王杯)、G2で1勝(2007年札幌記念)と通算2勝しています。
2007年の有馬記念を故障のため出走取消した後、そのまま引退しノーザンファームで繁殖牝馬としての生活に入りました。
ロードカナロアもフサイチパンドラも共に現在でもそれぞれ種牡馬・繁殖牝馬としての生活を続けていますが、アーモンドアイはそれぞれの産駒として初めてのG1馬となりました。
アーモンドアイの距離適性は?
オークス出走を前に一部では父がロードカナロアであることから距離適性に不安があるのではと言われていました。
なぜなら、ロードカナロアは現役時代に安田記念で優勝した時ですら戦前にマイルは長いのではないかと言われるほどのスプリンターだったからです。
しかし、オークスを見ればわかるように心配は完全な杞憂となりました。
母・フサイチパンドラはエリザベス女王杯や札幌記念を勝利していることからわかるように中距離を得意としていたこともあり、また母の父がサンデーサイレンスであったこともあり、母方の影響がいい意味で出たためでした。
オークス馬アーモンドアイは牝馬三冠を目指す?次走は秋華賞?
桜花賞を勝利した時にルメール騎手はすでにトリプルクラウン(牝馬三冠)が目指せる馬と明言していましたし、陣営もアパパネに続く牝馬三冠馬の誕生を目指していることから秋の目標レースとして秋華賞を視野に入れています。
ただし、秋華賞の前にトライアルレースを使うのか、秋華賞に直行するかは現時点ではまだ未定のようです。
アーモンドアイの馬主は?
アーモンドアイの馬主は一口馬主であるシルクレーシング(シルクホースクラブ)です。
1985年に設立後、当初は早田牧場生産馬を中心に募集を行っていて、「シルク」を冠号にシルクジャスティス、シルクプリマドンナ、シルクフェイマスなどの活躍馬がいました。
その後2011年に社台グループと提携すると、社台グループに属する牧場の生産馬が募集の中心となり、それまで年間40勝前後だった成績が2016年96勝、2017年101勝と飛躍的に勝利数を伸ばしました。
また、2018年は新年早々、史上初となる3日連続での同一馬主重賞制覇を戸崎圭太騎手とのコンビで成し遂げます。
1月6日は中山競馬場で行われたG3・中山金杯をセダブリランテスで、1月7日も中山競馬場で行われたG3・フェアリーSをプリモシーン で、そして1月8日は先に記したとおり京都競馬場で行われたG3・シンザン記念をアーモンドアイでといった具合です。
アーモンドアイはこれから夏休みに入り、次に競馬場に勇姿を見せるのは早くても9月の秋競馬開幕後ですが、まずは牝馬三冠を達成できるのか、その後は海外挑戦をするのかなど今後の活躍に注目していきましょう。