1986年のデビュー以来、関東の中心騎手として活躍している横山典弘騎手。
1つ年下の武豊騎手とは、関西と関東で所属は違えど、G1レースともなればそのライバルとして、幾度もの名勝負を繰り広げてきました。今回はそんな横山騎手を紹介します。
孤高の天才?横山典弘騎手のプロフィールや経歴・成績など
引用元:のだま♪♪のお馬日記
横山典弘騎手は、1986年にJRAの競馬学校を騎手課程の第2期生として卒業し、同年の3月1日に中山競馬場の第2レースで、リキアイシンプウに騎乗して騎手デビューを飾りました。
しかし、デビュー戦では2番人気に支持されたものの、惜しくも3着に敗れ、初勝利を挙げることは出来ず、4月29日の東京競馬場第12レースをキオイゴットに騎乗して制し、ようやく初勝利を挙げることが出来ました。
初勝利を挙げるまでに少し時間を要した事もあり、デビュー初年度こそ8勝止まりでしたが、2年目以降はどんどん勝ち星を重ね、3年目で重賞初制覇、5年目にはG1も勝利し、騎手として順調に実績を積んでいきます。
1989年から1992年にかけては、メジロライアンとのコンビで、オグリキャップやメジロマックイーンといった強敵達と死闘を繰り広げ、競馬人気の拡大にも貢献しました。
デビューから9年目の1995年には年間で130勝を挙げ、初めて関東のリーディング騎手の座にも着きます。さらに、年数を重ねる毎にサクラローレルやセイウンスカイといった、名馬に騎乗する機会も増えていき、多くのG1勝利を挙げていきました。
また、レースでは時に誰もが予想していなかったような、大胆な騎乗で騎乗馬を上位に持ってくることもあり、特にG1では騎乗馬を人気以上に好走させるものの、勝ちきれないケースが多く、2着となる事が多いのも特徴的です。
しかしその一方で、どれだけ人気のある馬に騎乗していても、馬が走る気を見せないと感じると決して無理をさせないので、馬券を買うファンからすれば常に頭を悩まされる存在といえるでしょう
これまでに日本ダービーを2度制するなど、騎手としての成績は「誰もが認める天才」である武豊騎手と並びトップクラスですが、横山騎手は常人には予想できないような騎乗ぶりで、記録以上に記憶に残るレースも多いことから、まさに「孤高の天才」と呼ぶにふさわしいかもしれませんね。
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横山典弘騎手の結婚相手(嫁)は?妻を語ることはほとんどない?
すでに息子2人が騎手としてデビューしている横山騎手ですから、当然結婚もずいぶん前にしています。結婚相手の名前は園美さんというのですが、横山騎手の口から奥さんの話題がでることはまずないようです。
したがって、奥さんとのエピソード等もほとんど見つからないのですが、横山騎手が2009年の7月に区切りの2000勝に迫った時には、開催していた札幌競馬場まで応援に駆けつけており、横山騎手も奥さんが来るなら頑張ると言って、無事に奥さんの目の前で2000勝を達成したようです。
夫の応援のためにはるばる札幌競馬場まで出向くところに、2人の関係の良さがうかがえますね。また、2008年には息子である横山和生騎手の競馬学校の入学式に夫婦そろって参加し、親子での貴重な3ショットも披露しています。
横山典弘騎手の息子は次男以外騎手。3男のデビュー戦では親子での「ポツン」騎乗も
元々競馬一家の出身である横山騎手ですが、その系譜はさらにその子供達にも引き継がれているようで、長男である横山和生さんと、3男の横山武史さんがJRAの騎手として活躍しています。特に2017年にデビューした3男の武史騎手には期待を寄せているようで、武史という名前の由来も武豊騎手の歴史を塗り替えるような存在になってほしいから、という噂まであります。
引用元:SANSPO.COM
ちなみに、武史騎手のデビュー戦には横山騎手も一緒に騎乗していたのですが、このレースでは横山騎手の奇策の代名詞もである「ポツン」騎乗を、親子で演じることにもなりました。とはいえ、レースの結果を見れば横山騎手が3着で、武史騎手は7着なので、武史騎手が狙って後方まで位置取りを下げたわけではないということがよくわかります。
武史騎手はデビュー初年度に13勝を挙げ、まずは父のデビュー年より良い数字を残しました。しかし、前述の通り横山騎手も2年目以降にはぐんと数字を伸ばしているので、武史騎手も負けじと頑張ってもらいたいですが、2018年は2月18日時点ですでに7勝を挙げているので、さらなる飛躍に向けて良いスタートが切れていると言えるのではないでしょうか。
横山典弘騎手のエージェントなしの理由とは?
現在の競馬界は騎手に騎乗を依頼するとき、騎手本人に直接依頼するのではなく、仲介者を通して依頼するという「エージェント制度」が主流となっています。これにより騎手は乗り馬の確保という業務から解放され、レースだけに集中できるというメリットがあるのですが、この制度には賛否両論あるのが現状です。
というのも、現在の制度ではエージェントが重要な役割を担うようになるので、力を持ちすぎる傾向にあり、騎手の腕如何より、どれだけ有力なエージェントと契約できるかで騎手の成績が変わってしまうとまで言われています。
また、エージェントを務めるのには競馬の知識も必要なので、どうしてもトラックマン等の報道関係者が兼業で務めることも多くなります。しかしその場合、自分が担当した馬や騎手の馬券が買えてしまうので、公正競馬が脅かされることになるのです。
これを受けてJRAも制度の改革に乗り出したのですが、そういった状況を踏まえていち早く動いたのが横山騎手と蛯名正義騎手でした。JRAのホームページには騎手のエージェントの一覧が載っていますが、この2人はフリーでありながらエージェントの記載がありません。
これについて特に2人が特にコメントを出しているわけではありませんが、改革を前にまずはベテランである自分たちが行動したということでしょう。ちなみに、エージェントと契約していなくても横山騎手はこれまでと変わらない成績を収めているので、実力があればこれまで通り活躍出来ることも身をもって示しています。
横山典弘騎手と藤沢厩舎は絶縁?
2017年にレイデオロで日本ダービーを初優勝した藤沢和雄調教師ですが、かつてはハーツクライやゼンノロブロイなど、横山騎手とのコンビで日本ダービーに挑戦し、ともに悔しい思いを分かち合ってきました。
競馬ファンにとってはもう周知の事実となってしまっていますが、横山騎手と藤沢厩舎は2013年の日本ダービーでのコディーノの騎乗を巡ってトラブルに発展し、それ以来横山騎手が藤沢厩舎の馬に騎乗することはなくなりました。
引用元:Wikipedia
横山騎手と藤沢厩舎といえば競馬界でも屈指の名コンビだったので、日本ダービーでコディーノの鞍上がそれまで主戦を務めていた横山騎手からウィリアムズ騎手に乗り替わるとわかったときには競馬ファンの間にも衝撃が走ったのを覚えています。
詳細に関しては本人たちが直接語ったわけではないので控えますが、きっかけの1つとして、乗り替わりを藤沢調教師から直接聞かされず、エージェントを介して伝わったことが挙げられるようです。それまでコディーノの騎乗に関してはエージェントを介していなかったようなので、横山騎手からすれば余計に不信を感じたのもしれません。
もしかすると、先に挙げたエージェント契約をしなくなった理由の1つに、そういった調教師との信頼関係が希薄になるという懸念もあったのかもしれませんね。
しかし、ファンからすればやはりこのコンビは魅力的なので、1度壊れた信頼関係というのは戻すのが非常に難しいとはわかっているものの、どこかのタイミングでまた騎乗するようになってほしいというのが正直な気持ちではないでしょうか。
横山典弘騎手の引退はいつ?
2018年には50歳になる横山騎手ですが、年を重ねるとどうしてもちらついてくるのが「引退」の2文字です。もちろん横山騎手も意識したことがないわけではないでしょうが、もうしばらく引退することは無いように感じます。
というのも、公式なインタビューではないですが、孫と一緒にレースに乗る夢も持っているようですし、近年JRAが力を注いでいるUMAJOというコンテンツの中にあるジョッキーコレクションの中で、今、ハマっていることは?という質問に対して「競馬」と回答していたり、休日の過ごし方(趣味)は?という質問に対しても「レースVTRを見る」という答えを返すほどの競馬好きだからです。
さらにいえば、ライバル視している武豊騎手が騎手を続けている限りは辞めないという気持ちも持っていそうですが、武騎手もまだまだ引退する気は無さそうなので、横山騎手の引退もまだまだ先になるのではないでしょうか。
もちろん、騎手というのは常に危険を伴う職業なので、体が無事であればという前提は必ず付きますが、これからも長く競馬ファンを楽しませてくれることを期待してもいいと思います。
横山典弘騎手の年収は?
近年は地方出身騎手や外国人騎手の参戦により、横山騎手も以前に比べると年間の勝ち鞍は減ってきています。数年前まではトップ騎手の目安である1億円以上の年収を手にすることが当たり前のようでしたが、2017年度は1億円に少し届かず、8000万円程の計算になります。
それでも騎手の平均年収は4000万円程度ですから、約2倍稼いでいることになりますね。もう横山騎手くらいのベテランになれば、多く稼ぐことよりも無事に1年乗り続けることのほうを重視していてもおかしくないですが、これだけ稼ぐということはその分レースにも勝っているということなので、その向上心の高さには頭が下がります。
また、横山騎手は確かに年齢を重ねて勝ち鞍は減ってきているものの、その存在感はまったく変わらないところも特筆すべき点だと思います。2017年も重賞5勝、内G1を1勝と大レースでその存在を見せつけています。
息子達も騎手になったとはいえ、まだまだ横山騎手の醸し出す存在感は唯一無二なので、これからも大舞台あっと言わせるような大胆な騎乗でファンを楽しませてほしいですね。