今回は先日ダービージョッキーとなったばかりの福永祐一騎手とのコンビ再結成で2018年6月24日に阪神競馬場で行われる春のグランプリG1・宝塚記念に挑戦することが明らかになったヴィブロスについて取り上げていきます。
ヴィブロスの血統・プロフィールやこれまでの戦績はもちろん、馬名の意味や完璧な配合について、さらには優勝しているドバイターフの賞金や馬主である佐々木主浩オーナーについてまであれやこれや調査しましたので、どうぞご覧ください。
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ヴィブロスのプロフィールと戦績
ヴィブロスは2013年4月9日に北海道勇払郡安平町にあるノーザンファームで産まれました。
厩舎は2018年5月27日に東京競馬場で行われた東京優駿・日本ダービーで19回目の挑戦だった福永祐一騎手とのコンビで挑んだワグネリアンをダービー馬に導き、他にもシュヴァルグランやマカヒキなど名馬を育てた関西・栗東の友道康夫厩舎に所属しています。
ヴィブロスの競争成績は国内・国外あわせて2018年6月10日現在で通算13戦4勝2着4回、重賞勝利はG1が2勝(2016年秋華賞、2017年ドバイターフ)となっています。
ヴィブロスには主戦騎手といえる特定の騎手はこれまでおらず、ここまでM.デムーロ騎手、C.デムーロ騎手、内田博幸騎手、福永祐一騎手、モレイラ騎手、ルメール騎手と6人の騎手とコンビを組んでいます。
ちなみに、2016年秋華賞の時は福永祐一騎手とのコンビ、2017年ドバイターフの時は先日、日本での通年免許獲得を目指すことを表明した現在は香港中心に活躍しているモレイラ騎手とのコンビでした。
ヴィブロスが福永祐一騎手と宝塚記念でコンビ再結成
ヴィブロスは2018年も2017年同様にステップレースとして2月末に中山競馬場で行われた芝1800mのG2・中山記念を走った後にドバイターフに2連覇を目指して出走しましたが惜しくも2着となりました。
昨年2017年はその後休養し秋に復帰をしましたが今年2018年はドバイターフ終了後から宝塚記念が復帰目標に定められ、陣営によれば先日行われた安田記念にも出走できたぐらい順調に調整が進められているとのことです。
そして、ドバイターフ直後には未定だった鞍上は福永祐一騎手に決まりました。
ヴィブロスの馬主である佐々木主浩オーナーの所有馬にはこれまで福永祐一騎手が騎乗することが多かったのですが、昨年2017年の宝塚記念でシュヴァルグラン(8着)以来、今回が実に1年ぶりのコンビ復活となります。
ヴィブロスの馬名の意味は?
ヴィブロスはギリシャの地名「ビブロス」が由来となっています。
佐々木主浩オーナーの馬名には以前は2012年・2013年とG3・CBC賞を連覇したことでも知られるマジンプロスパーに代表されるように「マジン」が冠号として使われていましたが、近年では冠号はない代わりに「ヴ」の文字が必ず使われるようになっています。
オーナーの妻で元タレントの榎本加奈子夫人が強い馬には「ヴ」がついているとアドバイスしたことがきっかけと言われていますが、実際に所有馬だった馬にシュヴァルグラン、ヴィルシーナいることを考えれば納得とも言える結果となっています。
ヴィブロスの血統は?完璧な配合とは?
ヴィブロスは父はディープインパクト、母はハルーワスウィートという血統です。
父・ディープインパクトの競争成績は通算14戦12勝2着1回失格1回で、勝てなかったのは国内では2005年G1・有馬記念でハーツクライの2着に敗れた時と唯一の海外レースとなった2006年フランスG1・凱旋門賞(3着・後に失格)のみでした。
重賞はG1で7勝(2005年皐月賞、2005年日本ダービー、2005年菊花賞、2006年天皇賞・春、2006年宝塚記念、2006年ジャパンカップ、2006年有馬記念)、G2で3勝(2005年弥生賞、2005年神戸新聞杯、2006年阪神大賞典)と通算10勝しています。
2006年のグランプリ・有馬記念で見事に有終の美を飾り惜しまれつつ引退したディープインパクトは翌2007年から生まれ故郷である社台スタリオンステーションで種牡馬をスタートさせました。
産駒が競走馬デビューした2010年から3年目を迎えた2012年以降6年連続でリーディングサイアーとなるなど既に種牡馬としても超一流、父・サンデーサイレンスの後継種牡馬の位置は確固たるものとなっています。
産駒の国内重賞勝利は2018年5月だけでもG1・NHKマイルカップ(ケイアイノーテック)G1・ヴィクトリアマイル(ジュールポレール)そして日本ダービー(ワグネリアン)とG1を3勝、通算では90頭で170勝(G1は31頭で42勝)しています。
代表的な産駒としては、牡馬ではマカヒキ、キズナやサトノダイヤモンド、牝馬ではジェンティルドンナ、ショウナンパンドラやミッキークイーンなど錚々たる顔ぶれです。
また、先日はフランスダービーをスタディーオブマンが制したようにディープインパクト産駒は海外G1、海外クラシックレースでも活躍するようになってきています。
母・ハルーワスウィートも現役時代はヴィブロス同様、友道康夫厩舎に所属して重賞出走こそ叶わなかったものの競走成績は通算22戦5勝2着2回3着1回、準オープン(1600万下)で活躍していました。
引退後は繁殖牝馬としての生活に入り、佐々木オーナー所有馬、シュヴァルグランやヴィルシーナの母馬としてG1馬3頭の母馬になったことで有名になりました。
また、人気競馬ゲームであるダービースタリオンマスターズ(ダビマス)で競走馬を最高の配合で生産することを「完璧な配合」と言っていますが、その中でヴィブロスは様々な馬との組み合わせで完璧な配合となることが知られています。
競走馬生活を無事に引退できた暁には、繁殖牝馬入りすることが確実視されるヴィブロスの将来が前途洋々なこともわかります。
ヴィブロスがドバイターフで得た賞金は?
ヴィブロスが2017年に優勝した際の賞金は360万米ドルで当時のレートで日本円に換算すると約4億円、今年は惜しくも2着に敗退し2連覇はならなかったものの賞金は120万米ドルで日本円に換算すると約1億2700万円を獲得しています。
1億2700万円というと日本のG1だと1着賞金に匹敵する額で、今度ヴィヴロスが出走する宝塚記念の優勝賞金1億5000万円に近い金額となっています。
それだけ、馬主にとってドバイ国際競走は賞金的に魅力のあるレースであることがわかります。
ヴィブロスの馬主・佐々木主浩氏とは?
ヴィヴロスの馬主である佐々木主浩氏は元々はプロ野球で名球会に入るほどの名投手でしたが、現役時代の活躍をご存じない方もいるかもしれません。
大学野球の名門、東北福祉大学から1989年のドラフト会議で1位指名され横浜大洋ホエールズ(現在の横浜DeNAベイスターズ)に入団、2年目の1991年からクローザーとして起用されることが増えると決め球のフォークを武器に次々に記録を更新していく活躍を見せました。
その後、「マジン」の冠号のきっかけとなる「ハマの大魔神」愛称をつけられた佐々木投手は1998年にはチーム38年ぶりのリーグ優勝・日本一にも貢献した後、2000年からはメジャーリーグ、シアトルマリナーズに移籍し4年間アメリカでの活躍を続けます。
2004年に日本球界に復帰し古巣横浜ベイスターズで2年間プレーし引退した後は、プロ野球解説者として野球とも関わる一方で、馬主としての活動やレーシングチームの監督としてなど幅広い活躍を見せています。
所有馬1頭あたりの賞金が1億円を超えるなど通常の馬主とは異なり、超一流の活躍を続ける佐々木オーナーの今後の所有馬にも注目していきたいですが、まずは宝塚記念でのヴィブロスの活躍を楽しみにしたいと思います。